パラリンピックで注目の競技・水泳に出場する東海林大選手は、バタフライで世界新記録を出しています。障がいは自閉症スペクトラムです。2020年パラリンピックでのメダル獲得の期待が高まる東海林 大選手についてまとめました。
東海林大選手について
障がいは、自閉症スペクトラム。4歳のとき、兄とともに現在も通う「山形ドルフィンクラブ」に入会し、水泳を始めたのがきっかけです。兄の背を追い、育成コース、選手コースと進み、中学では水泳部にも入部しました。当時は、全国大会出場の夢は叶わなかったが、健常者の中で力をつけていきました。
初めてパラ水泳の大会に出場したのは、高等養護学校1年のときだそうです。JSCA全国知的障害者水泳競技大会で自由形2冠を達成するなど存在感を示し、翌年の2015年から日本代表として国際大会にも出場。2016年、リオパラリンピックの日本代表有力候補として臨んだ選考戦で敗れてしまい、リオパラリンピック出場切符を逃しています。その後は、100m自由形、200m自由形、200m個人メドレーの日本記録を更新する活躍を見せ、2018年には100mバタフライの世界新記録を更新した実力の持ち主。現在は、アイエス(介護付有料老人ホーム ベル宮町)で清掃の仕事をしながら、東京2020パラリンピックを目指しています。2018年より三菱商事所属。
バタフライで世界新記録
パラリンピックの花形種目でもある水泳。いま、注目されているのは、世界の舞台でも堂々と活躍中の20歳が東海林大です。2016年のリオパラリンピックは出場を果たせなかったが、その悔しさを糧に成長を続け、2018年には100mバタフライの世界新記録を樹立しました。200m自由形、200m個人メドレーでも日本記録を持つ。シーズンが始まる前の冬、地元山形で練習に励む、知的障がい者水泳界のニッポンのエースです!
東海林大選手の想いに触れる
「いまも水が好きだから水泳を続けているのですが、とにかく水遊びが好きだったんです。母によれば、幼少時代は川遊びでずぶ濡れになったり、1つ年上の兄と一緒に自宅のお風呂にダイブして浴槽を壊してしまったり、そんなエピソードがあるほどです。スイミングクラブに入会したのは、兄と一緒だったからです。」と語る東海林大選手。
昔から水が大好きだったのですね。
「小6の冬に育成コースから選手コースに進み、中学ではやはり兄と同じ水泳部でも一緒に厳しい練習に取り組みました。当時は、50m自由形で全国大会に出場した美しいフォームの長身選手に憧れて、『自分も絶対、全中にいくぞ!』と心に決めていたんです。でも、夢はかないませんでした。」
儚く夢は叶わなかったけれども、その悔しさをばねに頑張り続けたそうです。
「高等養護学校1年の冬。JSCA全国知的障害者水泳競技大会への出場がきっかけです。50m、100mで大会新記録を樹立して優勝しました。例えば僕は「夢をつかむためには、無茶をしなきゃいけない」と思って頑張るんですけど、どうしてもそれを考えすぎてしまい空回りしてしまうんです。それまでは健常者の中で神経を張り巡らせて大会に臨んでいたのですが、この大会はのびのびと楽しく泳ぐことができましたね。」
もともと大好きな水と一緒に楽しく泳ぐことが、東海林大選手にとって一番と感じました。楽しむことが結果につながるということですね。
「疲労が蓄積すると、否定的なことを考えがちです。それでも、ネガティブに考えないよう、いえポジティブな言葉を発するように心がけています。「頑張ろう」と思うのではなく、「考えないようにしよう」という感じかな。否定的な言葉を言ったらしょげてしまうけど、「前向き」とか「笑顔」とか肯定感のある言葉をつぶやくと心が軽くなる感じがします。」
メンタル的にも安定させることが今後の課題となってくるでしょう。
「2018年は、イタリア、イギリス、オーストラリアで試合をする機会に恵まれましたが、今までになく環境もレベルも高い大会でしたね。海外選手と国際交流ができ、レースに向かう気分もノリノリになったおかげで新記録を出せたと思います。」と、コメントしていました。
世界に存在する選手との交流は刺激になるし、仲間として切磋琢磨出来る存在っていいですね。
「2018パンパシフィックパラ水泳では、ブラジルチームの前を通りがかったとき、パラ水泳界の男子選手で最も金メダルを持っているダニエル・ディアス選手がなんとハグをしてくれて。すごくうれしくなりました。他にも同じクラスのリオパラリンピック金メダリストと目が合ったり、ライバル選手と召集所で会話を交わしたりすると「俺のこと認めてくれているんだ」と自信がみなぎってきます。」
東海林大選手のストレス発散法は
「まずは、たくさん寝ることですね。気持ちがきついと感じたときは、ウォークマンで好きな音楽を聴いたり、スマホで楽しいときの写真を見返すということをやっています。70㎏の体重を管理しながら、オフの日には大好きなクッキーサンドアイスやジンジャーエールをいただきます。」
もうひとつ、最近やり始めたことがあるようです。
「以前父にすすめられて『できたことノート』をつけるようになりました。水泳のことだけではなく、「お母さんに褒められた」「昔から好きな仮面ライダーの映画を見られた」とか。よかったことや楽しかったことを、ちょこっと書けばいいんですが、実際に書いてみると、けっこうなボリュームになってしまうんですよね。でもノートをつけ始めてから、楽しく泳げるようになった気がするので、これからも続けていきたいと思います。」
パラリンピックへの意気込みは?
東海林大選手、実はこのようなことを答えていました。
「まだ東京パラリンピックの目標を語る自信がないんです。一度ノートに書いてみたのは、「世界一になるよりも、世界最高2番になる」です。順位は気にせず、予選ではファイナリストに残れるように頑張って、その次も最大限の力を出し切ることでしょうか。楽しむことが一番ですね。」
まとめ
東海林大選手は、リオパラリンピックに出られなかった悔しい想いを胸に、今回は最高に楽しく泳ぎながら、新記録をだしてくれるのではないでしょうか。
いかがでしたか?パラリンピックの花形・水泳に出場する東海林大選手についてお話をまとめてみましたよヽ(^。^)ノ
一生懸命応援してメダル獲得に期待しましょう!
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