競泳女子の池江璃花子選手さん(18)が診断された「白血病」は、血液のがんの一種で、若い世代で発症する割合が最も多い病気です。再発の可能性はあるのだろうか。再発の場合の治療法はどうなの?再発しないための治療法は?かつては生存率が低かったが、近年治療法が急速に進歩しており、若い世代の白血病は7割以上が治っています。
池江瑠璃子さんの病気や現状について調べました!オリンピック挑戦はどうなのでしょうか。
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— 池江 璃花子 (@rikakoikee) February 16, 2020
白血病とはどんな病気?
白血病ってどんな病気ですか?
白血病はいわゆる血液のがんです。
血液細胞には赤血球、血小板、白血球などがあり「血液細胞の工場」である骨髄で作られます。骨髄には造血幹細胞と呼ばれる細胞が存在し、この細胞が自分自身を複製しつつ、すべての血球を作っています。
この造血幹細胞やこれに近い未分化な血球に染色体や遺伝子異常が起こると、白血病幹細胞となり、無制限、無秩序に白血病細胞を産み出し続けます。結果、造血の場である骨髄が白血病細胞で占拠され、正常な造血ができなくなってしまいます。
白血病は、がん化した血球成分の種類によって大きく「骨髄性」と「リンパ性」に分かれ、また進行の速さなどにより「急性」と「慢性」に分類されます。
白血病の初期症状はどのようなものでしょうか?
白血病細胞によって骨髄が占拠されると、正常な血液細胞が減少します。
赤血球が減少することで動機や息切れ、白血球が減少することで感染症が合併しやすくなります。血小板が減少すると出血傾向が現れます。
急性白血病ではこれらの骨髄不全の症状が前面に出ます。
一方、慢性白血病では、白血病細胞の浸潤による肝腫大や脾腫大の症状が目立ち、何も症状がないことがしばしばです。
今回、池江選手は18歳という若さで発症しています。
若くて健康的な人でも発症するものなのでしょうか?
白血病の発症者数は年間約1万1千人で、他のがんに比べると少ない病気です。
白血病発症の年齢のピークは高齢者にありますが、どの年齢でも起こりえます。
ただし、急性リンパ性白血病だけは若年者にも多く見られます。
我が国の成人で最も多いのは急性骨髄性白血病、次いで慢性骨髄性白血病で、
慢性リンパ性白血病は極めて稀です。全く健康な人でも白血病を発症する可能性はあります。
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もし白血病になったらどうすればよいの?
もし白血病になった場合、治療方法は?療期間はどれくらいですか?
急性白血病では、数種類の抗がん剤を併用した多剤併用療法が治療の中心となります。
まず最初に寛解導入療法という非常に強い抗がん剤治療を行ないます。治療がうまくいくと、通常の検査では白血病細胞を検出できない寛解状態になりますが、ここで治療を終了すると間違いなく再発します。
残存した白血病細胞を全滅させるために、寛解後療法として地固め療法、維持療法(維持療法は急性リンパ性白血病の場合のみ)が行なわれます。
急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病では、白血病の再発リスクに応じて、化学療法だけで治療を終了する場合もあれば、同種造血幹細胞移植が行われる場合もあります。
また、若年者の急性リンパ性白血病では、小児用の治療手順を用いることで、以前よりも治療成績が随分と向上しています。
一方、慢性骨髄性白血病にはチロシンキナーゼ阻害薬という内服薬があり、外来通院だけで病気をほぼコントロールできますが、長期間にわたる治療が必要です。
白血病と聞くと命に係わる病気というイメージがありますが、完治は可能なのでしょうか?
かつて急性白血病は不治の病というイメージがありましたが、抗がん剤治療だけで、あるいは同種幹細胞移植を併用することにより、今は若年者であれば4割以上が治癒します。
慢性骨髄性白血病でも、一部の患者さんで治療薬を中止しても再発がないことが報告されており、治癒への期待が高まっています。
白血病の今後について
白血病にならないように、未然に予防はできるのでしょうか?
ほとんどの患者さんで発症原因は不明です。規則正しい生活をしていれば白血病にならないわけではありません。また、食べ物の嗜好やアルコール摂取との関連性を示すデータはありません。ただし、喫煙は白血病発症のリスク因子であることが報告されています。
池江選手の復帰時期はいつ頃が見込まれますか?
急性白血病であれば、少なくとも半年程度の治療は必要ですが、移植を行なうのか行わないのかによっても治療期間は異なってきます。急性リンパ性白血病で移植をしない場合には、治療期間が2年程度かかります。
慢性骨髄性白血病であれば、病気のコントロールができて、薬の副作用の問題が無ければ、3〜6ヶ月後には復帰できる可能性もあるでしょう。
ただ、血液のがんは再発の恐れがあるため、定期的に通院し採血をしながら経過観察をしてゆかなくてはなりません。
池江選手はこのようにコメントしていました。
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